不妊治療やめた人の気持ちが分かる本「産まないことは逃げですか?」諦めた理由とタイミングが参考になる

不妊治療をやめた人の気持ちが分かる本「産まないことは逃げですか?」諦めた理由とタイミングが参考になる

28体外受精をスタートさせてすぐに旦那が買ってきた本があります。
2017年9月5日に発売された、吉田潮さんの”産まないことは「逃げ」ですか?”という本。

紙面でコラムを書いたり、テレビでもコメンテーターを務める筆者 吉田潮さんの実体験が綴られた本です。

吉田さんも書いていますが「子どもを産まない」という生き方を推奨する本ではありません。
自身の体験から不妊治療で感じたことや諦めるタイミングと理由をフラットな視点で、あっさり書かれています。

重そうなテーマにも関わらず、常識に囚われない筆者と、その周りの人達の話で切り口が斬新。
夫のイチモツを見たことがない人など、一般的な夫婦像や家族像とはちょっと違ったケースもたくさん出てくるので面白いです。
マンガみたいな感覚で読めます笑

不妊治療で先が見えなくて不安な人
私 本当に子どもが欲しいのかな?と悩んでいる人におすすめしたいです。

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産まないことは「逃げ」ですか?

タイトルにもなったこの言葉は、筆者の友人の体験談です。
筆者の友人は、高齢出産した人から、「子供を持たないこと」=「逃げ」と言って説教を始めたそうです。

吉田さんは言います。
「産まないこと」は「逃げではない」。

子供を持つことで逃げたのは、その高齢出産した友人ではないのか?
子育てに悩む自分の仲間を作りたかったのではないか?
若者の結婚願望には「働きたくない」「子供や夫というステータスが欲しい」といった考えが根底にあるのではないか?

「自分勝手に生きれるからいい」と揶揄されることもあるでしょう。
しかし、常識化された「産む」という中で「産まない」という選択をする人は
自分と向き合い、あるいはパートナーと話し合って、生き方に向き合っている。
女優の山口智子さんや作家の下重暁子さんは子供を産まない選択をした。
怠け者や自堕落な人では決してない。

子供がいないので当然子供に拘束されることはないから自由もある。
その自由を自分勝手に使って何が悪いのか?

と指摘します。

まとめ方が下手なので、ウィットと愛に富んだ部分が伝えれませんが
とっても胸がすきます。

吉田潮さんが行った不妊治療と諦めた理由

不妊治療時点で39歳、旦那さんは46歳。
別居婚で仕事をしながらの不妊治療。
5日に1回、多い時には毎日の半分をクリニックで過ごす日々。

体外受精(顕微授精)を開始して移植して妊娠するも、心音が確認できず稽留流産に。
その後、中絶手術。
中絶手術は部分麻酔で行い、掻き出す感覚が分かったそうです。

私は妊娠も当然流産もしたことがないのですが、不妊治療中の中絶は相当なダメージだと想像できます。
(もし同じような出来事が訪れた場合、吉田さんの経験を参考に「全身麻酔を選ぶ」と心底から思いました)

吉田さんは産めないという不全感に打ちひしがれながら、
更年期の症状が見られはじめた段階で諦めがついたそうです。
そして、打たれ弱い自分も受け入れることが出来た。

体外受精に使った金額は、授業料にしては高くなかった、と綴っています。

海外の事例は「常識」を見つめ直すいい機会

ドイツでは専業主婦は一部で、多くの女性が経済的に自立しているそうです。
だからこそ、社会や体裁を気にするのではなく、経済的な損失も考えた上で「産まない宣言」や「子供を作らない選択」をする人が多くいる。
ポイントは「自分」が「主語」になっていること。
「出産は痛い」という理由だってアリです。

海外の「母親になることで後悔する」話題にも触れられています。
妊婦が神聖化されている日本ではタブーな話題ですよね。

こういう話を見聞きすると、常識は常識ではないことに気がつきます。
常識に理由や説明があって納得してればいいですが、なんだかモヤモヤしたまま蓋をしてしまっている感情の正体が見えてきて実に興味深い。

子供がいる人が憎くなってしまった時のアドバイス

子供がいる人全員が妬ましい訳じゃないですが、たまに黒い想いに沈んでしまいます。
吉田さんのアドバイスはとっても参考になりました笑

こんな風に考えると、気持ちに余裕が生まれます^^;

  • 未来の納税者として感謝する
  • 妊娠・親になった人に対して子ども視点で接する
  • 生き別れの母プレイ
  • 大家族ものとして疑似体験する

不妊あるあるが分かり過ぎる!

こんな不妊あるあるな話題も盛りだくさんです。
時事ネタも多いので、是非オンタイムで読んでほしい。

  • 旦那を種馬扱いするなどの「射精ハラスメント」
  • セックス後の倒立
  • ジム通いや1回13,500円の鍼灸マッサージ
  • 不妊治療中の性欲低下
  • 親の期待に対する想い
  • 芸能人の不妊治療に思う事 など

吉田さんが性に正直であっけらかんと書いているので、引いてしまう男性もいるかも(旦那がそうでした^^;)

もちろん、不妊に関する情報もたくさん載っているので勉強になります。
面白かったのはコレ。

男性不妊には「エビオス錠」が効くという噂は嘘 知らなかった!

獨協医科大学越谷病院泌尿器科の小掘善友先生によると、精液が増える、精子が増えるといった効果はないそうです。
34歳から精子量が減り、40歳で精子濃度や正常形態精子率が老化するらしい。

「内孫」「外孫」という概念

内孫:家の跡取りになる夫婦から生まれた孫。一般的には息子夫婦。

外孫:家を出た夫婦から生まれた孫。娘が嫁いだ先での孫。
分家の場合もコレにあたります。

自分の親世代の視点なので、全く知らなかったです。
内孫、外孫。どちらも自分の血を引いている孫ですが、微妙な違いを感じる人がいるんですね。

現状の不安や鬱屈から逃げたい一心で子供を欲しがるのは「心の病」←気持ちが分かり過ぎる

私自身の話を少し。

昔から子供が好きなわけではありませんでした。
身近に子供がいて嫌な思いがあるわけでもありませんが、一人の人として扱うように心がけて距離を置いていました。
結婚してからもその調子だったので、旦那は「子供を作る気がないんだろうな」と思っていたようです。

そして長年勤めた仕事を辞めて、勉強しながら好きな業種へ転身。
それなりの家庭像を描いていたので当然子供は欲しい。
子供を育てながら家で働きたい、と思ってフリーランスの道を選びました。

フリーではじめた仕事は、知人に紹介してもらった人脈を持つ一人の男性からいただいていました。
大きな仕事もあって、やりがいもありましたが、毎日ひたすら激務でした。
トラブルも多く、数日眠れない日も。
報酬は安くタダ働きも多かったです。
「断れば次はないし代わりはいくらでもいる」
言われた私もそれを信じ込んてどんな条件でも引き受けていました。
会社を作って頂き、褒めてもらったり感謝されると何物にも代えがたかった。
「駆出しから仕事を紹介してもらって有難い」と心から思い込んで、どんな扱いを受けても「私はまだまだ。いつかお礼したい」と本気で思っていました。
ひと言で言うと、「依存」です。

そんな数年を過ごしながら、友人や知り合いが結婚して子供ができた報告を聞くたび、子供が欲しい想いがつのっていきました。
「子供がいる生活ってどんなだろう?私も欲しい!」
正直に言うと、おもちゃやペットの感覚でした。
(子供を持つ方に叩かれそうです…)

いざ子作りを始めてみると、うまく行かない。
1年経っても出来ないから不妊治療を始めました。
すぐに体外受精にステップアップして失敗。

仕事はというと、関わる人も新しい業務も増えてきました。
何かが保証されている訳もないのに無給の仕事もあいかわらず受けていました。
家でも病院の待合室でもパソコンを触る日々。

仕事も女としての役割も全うできない。
何者にもなれない不完全感を、子供で満たせるのではないか?と自分を疑い出しました。

そんな自分勝手な期待で生まれてくる子供が幸せなはずない。
負担を強いられるのはかわいそう。という気持ちも。

依存していた方との関係を清算して、1年ゆっくり過ごして不妊治療に向き合ってきました。
辛い記憶も薄れるものですね。
昨年から開始した不妊治療。

吉田さんが書かれていたこの一言に共感するしかありませんでした。

積極的に不妊治療を受けたのも、たぶん「産めないという科学的根拠」が欲しかったんだと思う。

私は年齢を理由に後悔したくない。
「愛する旦那の子供が欲しい。親に子供を見せてあげたい」という想いは本物だから「今 不妊治療を行うべき」と考えます。

子供は欲しい。不妊治療は辛い。
子供が産めないという科学的根拠ができれば、やめる理由と諦める理由になる。
子供がいない生き方を楽しく豊かなものにするためには、不妊治療を行うしかない。

ある意味、不妊治療をやめるために不妊治療をしているのかもしれない

まともに生殖機能が備わっていないと、心が歪んでしまうのか?

人生を楽しむための選択

私は「産みたいけど産めない」のところで止まってます。
そこに選択がない。
選択するために不妊治療をしています。

前に体外受精を失敗した時よりも、必要以上に落ち込まないし、向き合えてる気がします。
助成金や、精神面や体力面を考えるとそう長く続けれそうもない。
でも、更年期障害はまだだと思うから「まだ諦めるには早い」とか思っちゃうかな…

もし、子供が出来たら。
もし、子供が出来なかったら。という話をよく旦那とします。
海外旅行が好きなので移住もいいな。
私も一年のんびり暖かい国で暮らしたいな。
考え方が似ている私たちは、そんな生き方もあってる気がする。

どんな選択をしたとしても、後悔なく、いい形で次に進んで「楽しい人生」をおくることができたら最高じゃないか。

吉田さんが書かれてた「人生笑って楽しんだもん勝ち。」
ほんとそうだな、と思った。

そして、「産まない」と「産めない」は全然違います。
吉田さんはきっと今の生活が本当に充実しているから、「産まない」ことに折り合いがつけれてるんだろうな。

「人は人」実は分ってる人が多い?多様性への過渡期なのかもしれない

偉そうに言って、理解があるように見えて、配慮ができない自分もいます。
婚活をしている独身の子を必要以上に応援したり、母親マウンティングする人には冷たくあたって、後悔することも多いです。

こんな「私」をいつか自分で受け入れることができるのかな。
必要以上に期待しない。
ある程度で諦めることも大事な気がしています。

人に強要しない、されない。
いつでもどこでも行ける。
フットワークが軽くて自由な選択が出来る。
自分が主語の芯のある人になりたいです。

純粋にそう思う。
そんな理想に同調してくれる人が私の周りには、たくさんいます。

多様化を認める流れにシフトしていっている気がします。
生きにくいギスギスは転換期だからこそ?なのかも。

人も動物も自然も命を全うする。
相手を思いやって、依存せず、いい距離を保てる、そんな世界になるといいな。

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吉田さんおすすめの「不妊治療、やめました。~ふたり暮らしを決めた日~」も読んでみたい

これは漫画家夫婦の10年間の不妊治療と子どもを諦めるまでの漫画です。
現在はご両親の介護に取り組まれているそう。

吉田さんがおすすめされてたので、読んでみたいと思います^^

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